頭が真っ白

ずっと昔だけど、高3の冬ごろだったと思う。
ヤバイ、前髪が減ってやがる!
母の全弟二人の広大な額が頭をよぎった。
もう、頭のてっぺんまでおでこだ。
僕もそのうち、あんなんなっちゃうんだ・・・。
未来は真っ暗だった。何の希望も見いだせなかった。


が、そこで踏みとどまった。
あのころからずいぶん長い時間が過ぎたのに、おでこの面積は広がらなかった。
全く変わらないわけではないが、せいぜいハワイが日本に近づく程度のペースだろう。
叔父と同じ血を引いてるけど、持って生まれた素質からしてちがったんだな!!!
久々に同級生に会って、その老けっぷりを見て自信を深めたことも、何度となくあった。


朝起きて、鏡を見た。
耳の上あたりに白く光る筋を見つけた。
・・・こっちにきたか。
どうせなら、全部真っ白になっちゃえばよかったのに。
そうしたら何かとあきらめもついたのに。